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2024.3月号 No.178

表紙

イカリソウ(メギ科イカリソウ属)

早春から初夏にかけて、薄紫や赤紫、白、薄い黄色などの花を咲かせます。漢字で「錨草」と書き、距(きょ)が突き出した花の形が船の錨に似ていることから、その名がついたと言われています。神経衰弱、健忘症、強精、強壮に用いられ、肉体的な強壮作用だけではなく、精神的な疲労感や憂鬱感にも効果があります。


健康のための睡眠ガイド

~おすすめの睡眠時間は何時間?~

みなさんの睡眠時間はどのくらいですか?厚生労働省は、推奨する睡眠時間や生活習慣を世代ごとに示した「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を新たにまとめました。前回の改訂からおよそ10年ぶりとなります。

《各年代の推奨睡眠時間》


高齢者の睡眠時間

高齢者については、寝床にいる時間が8時間以上にならないことを目安に必要な睡眠時間を確保してほしいとしました。

高齢の方が訴える「眠れない」「夜、目が覚めてしまう」などの睡眠の悩みは、多くの場合、自然な体の変化の一つです。必要以上に眠ろうとすると、かえって健康を害する結果になります。年を重ねると、人は昔のようには動けなくなります。活動量が減ることに伴って必要な睡眠量も少なくなります。つまり、若いときほど長く睡眠時間を確保しなくても大丈夫なのです。昼間活動するために、体が要求するだけ心身を休める、それが睡眠なのです。


働き盛りの成人に大切なのは「睡眠休養感」

目覚めた時に体が休まったと感じる「睡眠休養感」が重要で、アメリカで行われた調査では、40歳から64歳の世代について、睡眠時間が5時間未満で「睡眠休養感」が低いほど死亡リスクが高まったという結果が紹介されています。「睡眠休養感」を高めるために、就寝間際に食事を摂ったり、朝食を抜いたりといった習慣の改善をあげています。


一方、子どもは……

子どもについては、睡眠時間が不足すると肥満のリスクが高くなったり、学業成績が低下したりという報告があり、対策として生活習慣に注意し、小学生から高校生までは1日に1時間以上体を動かし、ゲームやスマートフォンの利用時間を2時間以下にすることを推奨しています。


睡眠をとりやすい環境づくり

体内時計を整えるため、日中にできるだけ日光を浴び、寝室にはスマートフォンやタブレット端末を持ち込まずできるだけ暗くして寝ること、そして、就寝の1~2時間前に入浴することなどが推奨されています。

嗜好品の摂取量とタイミング

カフェイン:コーヒーの場合はコーヒーカップで4杯程度とし、夕方以降は控えましょう。

お酒:深酒はせず、眠るためのお酒は控えましょう。眠りが浅くなると言われています。

タバコ:ニコチンが入ったタバコはやめましょう。

台所は薬の宝庫 豆乳

豆乳はその字の通り「豆=大豆」からできています。大豆を水に浸したり、蒸したりした後、すりつぶし、水を加えて煮詰めた汁をこして作られています。同じ「乳」と書きますが、豆乳は植物性、牛乳は動物性という点で大きく異なります。

豆乳に含まれるお主な成分は、たんぱく質、ビタミンB群、ビタミンE、オリゴ糖などですが、美容・健康に関する注目成分を以下でご紹介いたします。

 



 女性に嬉しい「イソフラボン」

・髪のハリやツヤを保つ、骨を丈夫にする・コレステロール低下、動脈硬化を防ぐ

アンチエイジングに「サポニン」

・血中脂質の蓄積抑制(抗酸化作用)・脂肪の吸収を抑制し、肥満を予防する

生活習慣病の予防に「レシチン」

・コレステロール低下、血流改善

ダイエットの味方「大豆たんぱく質」

・アミノ酸(トリプトファン)は、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの原料です。メラトニンは体内時計のずれを修正し、睡眠と覚醒のリズムを整える役割を担います。


〇豆乳を飲む時の注意点

【飲み過ぎない】

大豆イソフラボンの1日の摂取上限は75mgとされています。1日200mL程度が適量です。摂取しすぎると下痢になったり消化器系疾患が起こるリスクが高くなったりするので、普段から納豆や豆腐などの大豆製品をよく食べる人は、1日100mL程度におさえたほうが良いでしょう。

【朝起きた後や食前の摂取がおすすめ】

朝起きた後は栄養やエネルギーを効率よく摂取でき、便秘解消にもつながります。また、食事の前に飲むことで脂肪やコレステロールの吸収を抑制する効果を得られ、血糖値の上昇が緩やかになります。食欲を抑える効果もあります。

【温めて飲む】

栄養素の吸収がよくなります。お店では冷蔵コーナーで売られていますが、体を冷やし過ぎると代謝が低下するので、できれば40℃位に温めて飲みましょう。