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2025.7月号 No.186

表紙

ハイビスカス (アオイ目アオイ科 フヨウ属)

非耐寒性常緑低木で、開花期は5月~10月。漢方や薬膳で用いるハイビスカスは別名、洛神花(らくしんか)と呼び、花後にできる萼(がく)の部分が赤く厚みがあり、酸味が強いのが特徴。クエン酸、リンゴ酸、ハイビスカス酸、各種ビタミン類などの多彩な栄養素が含まれており、疲労回復や夏バテ、浮腫み解消、美肌に良いといわれている。


タンパク質の上手な摂り方

 私たちの体の約20%はタンパク質でできています。主に髪や皮膚、筋肉や骨など体の重要な組織を作っています。また、体を維持・調整するホルモンや酵素、抗体、神経伝達物質の材料でもあり、免疫や代謝、血圧の調整、神経機能の維持などにも重要な役割を果たしています。

 食品の中に含まれるタンパク質はそのままの形ではなく、アミノ酸へ分解されて体内に吸収されます。吸収されたアミノ酸は血液によって全身に運ばれ、アミノ酸からタンパク質へ再合成されます。体のアミノ酸は毎日入れ替わっているため毎日必要となるタンパク質を食事からしっかり摂ることが大切です。

 タンパク質不足セルフチェック  4個以上でタンパク質不足疑い、8個以上でタンパク質不足

 1日に必要なタンパク質の量

 タンパク質をバランスよく含む食品

 タンパク質を効率よく摂取するポイント

  • 肉、魚、卵、乳製品、大豆製品など様々なタンパク質源を組み合わせることで、様々なアミノ酸を摂ることができます。
  • ビタミンB6はタンパク質の分解や合成を補助する働きのある栄養素です。カツオやマグロやレバーなどは、タンパク質に加えてビタミンB6を多く含んでいるのでおすすめの食材です。
  • 1回に吸収できるタンパク質は20g程度と言われています。 1日に数回に分けて摂取しましょう。寝起きの体はタンパク質が不足している状態なので、朝はしっかりと摂るとよいでしょう。 

 運動を組み合わせて筋力の維持と強化を

筋肉量の減少を防ぐためには適度な運動も大切です。

簡単なエクササイズを朝食前や歯磨きの後などに習慣づけてみましょう。太もも上げやウォーキング、階段を使うなど日常の中で取り入れやすいものを実践してみるのもよいでしょう。

台所は薬の宝庫 たまご(鶏卵)

 卵は「完全栄養食品」と呼ばれるほど栄養価が高く、食物繊維とビタミンC以外のタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルといった栄養素を豊富に含む食材です。「卵白」には主にタンパク質、「卵黄」にはタンパク質の他に脂溶性・水溶性のビタミン、ミネラル、脂質が含まれています。また、卵に含まれるタンパク質はアミノ酸スコアが100のバランスの良い食品です。アミノ酸スコアとはタンパク質を構成する必須アミノ酸のバランスを数値化したもので、アミノ酸スコアが100に近いほど理想的な数値とされています。特に身体に必要な必須アミノ酸のバランスが良く、筋肉の修復や生成、ホルモンの生成、免疫機能維持など健康を維持するためにも大切な食材です。必須アミノ酸は体内では生成できないため食品から摂取する必要があります。


【1日の摂取目安】1日1~2個程度が目安

 卵にはコレステロールが含まれているため過去には1日1個までと言われていましたが、「卵に含まれているレシチンやオレイン酸にコレステロールを下げる働きがある」ことや「食事で摂取するコレステロールは、血液中のコレステロール量に必ずしも影響を与えるわけではない」といった理由から明確な基準値は定められなくなりました。ただし、コレステロールの含有量が減ったわけではないので食べ過ぎには注意が必要です。